1. 秋山財団賞:1件 褒賞金300万円
2025年4月1日現在で北海道内の研究機関等に所属し、生命科学の進歩発展に顕著な功績をあげた研究者が対象です。 |
受 賞 者 | 横田 伸一(ヨコタ シンイチ)氏 ( 62歳 ) |
所属・役職 | 札幌医科大学医学部 教授 |
受賞テーマ | ウイルス,細菌による宿主応答の攪乱作用に立脚した感染症治療、予防戦略の探索 |
受賞理由 |
横田伸一氏は、ウイルスや細菌の感染予防につながる「ウイルス感染による自然免疫応答の攪乱機構の解明」および「細菌表面の化学構造や生物活性、抗原性」に関する基礎研究を基盤に、臨床への応用戦略を見据えた学際的な研究において優れた成果をあげてきた。それらは、190編の原著論文として報告されており、同氏の優れた研究業績として評価できる。特に、ウイルス感染の研究では、宿主免疫応答のネガティブフィードバック機構を感染ウイルスが立ち上げることで自らの複製を促進させる新しい概念を提唱するとともに、新規抗ウイルス薬やワクチン開発のための有用な知見を見出している。現在は、乳幼児や高齢者で問題となっている呼吸器系ウイルスの宿主免疫応答と増殖制御に関わる研究、並びに抗菌薬の抗ウイルス薬としての応用に着眼したドラッグリポジショニングへの研究展開を進めており、一貫してウイルスと宿主免疫のせめぎあいをテーマにした精力的な研究を進めている。 また、ピロリ菌の表層物質であるリポ多糖の化学的構造解析を進め、2つのエピトープの存在を見出し、低抗原性のリポ多糖がToll様受容体の発現亢進に加え、宿主細胞の増殖シグナルを活性化することで発がん因子の一つになりうる機序を見出している。このような独創的な視点からの研究成果は、小林六造記念ヘリコバクター賞として高く評価されている。 |
(敬称略)
2. 秋山喜代賞:1件 褒賞金50万円
各分野での功績があり、一層の飛躍と進化を求め続ける女性で、北海道に縁(ゆかり)のある方が対象です。 |
受 賞 者 | 七戸 千絵(シチノヘ チエ)氏 ( 56歳 ) |
所属・役職 | 株式会社 The St Monica 代表取締役 |
受賞理由 |
七戸千絵氏は、薬剤師としての知見を軸に、ご自身の出産や子育て等の過程で抱いた問題意識、或いは使命感を、いわば昇華した精力的な活動を続けています。また、その活動の中核をなす企業体であるThe St Monica(セントモニカ)。個人事業から始まり、現在は株式会社として北海道産原料を使用した赤ちゃんから高齢者まで安心安全に使える商品開発・販売を行い、札幌市経済局「札幌スタイル」の認証を得る等、社会的にも認知をされ、経済活動としても高い評価を得ています。 |
(敬称略)
3 -(1)研究助成〈一般〉:19件 2,280万円 [贈呈額:120万円] 採択率:21.3%
北海道内の各種の研究機関等に所属し、生命科学のうち自然科学分野の基礎的研究で優れた研究者であり、年齢は問いませんが、若手研究者を期待、また自立的或いは共同で研究を行う研究者を対象とします。 |
氏 名 | 北海道大学大学院薬学研究院 教授 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | 高歪み反応性化学種を用いた革新的C(sp³)-C(sp²)ハイブリッド天然物合成 | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 北海道大学大学院医学研究院 特任助教 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | 脊柱後縦靭帯骨化症に特異的な細胞外小胞体およびバイオマーカー探索 | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 北海道大学大学院歯学研究院 教授 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | PTH製剤の皮下投与は国民を脅かすインプラント周囲MRONJを打破できるか | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 帯広畜産大学生命・食料科学研究部門 准教授 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | 食品の未利用資源の活用に資する食品成分を用いたマウスの脂肪肝改善作用の検討 | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 北海道大学北海道大学病院 助教 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | 移植腎組織内の免疫細胞の解析による拒絶反応のメカニズム解明 | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 北海道大学大学院歯学研究院 准教授 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | 胃切除後骨粗鬆症の発症メカニズム解明と新規治療法開発 | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 室蘭工業大学大学院工学研究科 准教授 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | 好雪性変形菌に細胞内寄生する新規微生物のゲノム解析手法確立 | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 旭川医科大学救急医学講座 講師 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | 敗血症性心筋症における心筋β3アドレナリン受容体の脂肪酸代謝制御機構の解明 | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 北海道大学大学院保健科学研究院 講師 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | 唾液のNETs誘導メカニズムの解明 | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 慶友会吉田病院臨床研究センター 副院長 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | Beyond PDの壁を超えるフレア現象を予測するバイオマーカー研究 | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 北海学園大学工学部 教授 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | 絶滅危惧種シマフクロウ保全における市民参加型モニタリング手法の構築 | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 室蘭工業大学大学院工学研究科 助教 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | 人工衛星による宇宙実験に向けた微生物長期培養モニタリングシステムの開発 | ||||||||||||||||||||||||
氏 名 | 森林総合研究所 北海道支所 研究員 | ||||||||||||||||||||||||
研究テーマ | 百年にわたる針葉樹トドマツの気候変動応答を多地点の年輪成長と気象情報から紐解く 氏 名 旭川医科大学医学部 准教授 研究テーマ ヒストンH3tを含有した精巣特異的ヌクレオソーム及びクロマチン構造と機能の解明 氏 名 北海道大学大学院歯学研究院 助教 研究テーマ 光応答性ナノ複合体のインプラント周囲炎治療法への応用と生体安全性評価 氏 名 酪農学園大学獣医学群 准教授 研究テーマ 動物およびヒトにおけるダニ媒介性感染症の研究と媒介ダニの生息域調査 氏 名 北海道大学大学院理学研究院 准教授 研究テーマ メダカ排卵と卵成熟のタイミングは時計遺伝子により決定されるか? 氏 名 北見工業大学工学部 准教授 研究テーマ 低温環境に適応したヘムタンパク質の構造特性の解明 氏 名 北海道大学大学院医学研究院 教授 研究テーマ がんの炎症シグナルを標的とした新規修飾抗体療法の開発 |
(受付順、敬称略。所属・役職等は申込時のものです)
3 -(2)研究助成〈奨励〉:17件 1,020万円 [贈呈額:60万円] 採択率:44.7%
北海道内の各種の研究機関等に所属し、生命科学のうち自然科学分野の基礎的研究で優れた研究者であり、申込時の年齢が40歳未満で、また自立的研究を行う研究者を対象とします。 |
氏 名 | 酪農学園大学獣医学群 講師 |
研究テーマ | 北海道内牧野におけるウシピロプラズマ症の分布とウシ品種間における病態差異の解明 |
氏 名 | 北海道大学北海道大学病院 助教 |
研究テーマ | 増殖性天疱瘡における表皮増殖機構の解明 |
氏 名 | 北海道大学大学院薬学研究院 助教 |
研究テーマ | 生体膜のパッキングを制御するスフィンガジエンの脳における役割の解明 |
氏 名 | 北海道科学大学保健医療学部 助教 |
研究テーマ | 高齢脳卒中患者に適応した退院時FIM予測モデル構築とフィードバック支援アプリ開発 |
氏 名 | 北海道大学大学院先端生命科学研究院 助教 |
研究テーマ | がん細胞集団における染色体倍加を介した低酸素順応機構の解明 |
氏 名 | 北海道大学大学院獣医学研究院 博士研究員 |
研究テーマ | 北海道におけるダニおよびノミ媒介性感染症の伝播に関する複雑な生態学的要因の解明 |
氏 名 | 北海道立総合研究機構 研究職員 |
研究テーマ | 崩壊地斜面における面状土壌侵食が植生回復に及ぼす影響の解明 |
氏 名 | 札幌医科大学医学部附属免疫学研究所 助教 |
研究テーマ | IL-9が介在する自然免疫と適応免疫の新たな連携機構に基づくアレルギー病態の研究 |
氏 名 | 北海道大学大学院歯学研究院 助教 |
研究テーマ | 慢性疼痛と発達障害の併存メカニズムの全脳イメージング解析 |
氏 名 | 北海道大学北海道大学病院 助教 |
研究テーマ | 腎移植におけるドナー特異的低反応の人為的誘導法の開発 |
氏 名 | 北海道大学大学院先端生命科学研究院 助教 |
研究テーマ | エクソソームの糖鎖修飾に着目した新規膵がんバイオマーカーの探索 |
氏 名 | 北海道大学ワクチン研究開発拠点 特任講師 |
研究テーマ | H5亜型鳥インフルエンザウイルスに対するWHO承認ワクチン株の特性解析 |
氏 名 | 札幌医科大学医学部 兼任助教 |
研究テーマ | 新生児重症心不全の治療を目的とした超小型IABPの開発 |
氏 名 | 北海道大学大学院獣医学研究院 助教 |
研究テーマ | 尿細管のつなぎ目をみる新たな腎臓学-組織障害の起点をもとめて- |
氏 名 | 酪農学園大学獣医学群 講師 |
研究テーマ | 腸内細菌叢の破綻を介した犬の肝性脳症の新規病態メカニズムの解明 |
氏 名 | 札幌東徳洲会病院医学研究所 研究員 |
研究テーマ | 好酸球性副鼻腔炎におけるアセチルコリンの機能解析から創出する新規治療戦略 |
氏 名 | 北海道大学大学院歯学研究院 学術研究員 |
研究テーマ | アモルファス合金を用いたデンタルインプラントの開発 |
(受付順、敬称略。所属・役職等は申込時のものです)
4-(1)ネットワーク形成事業助成A(一般)プロジェクト:3件 300万円
[贈呈額: 100万円(3件)]
「生命科学(いのち)」をテーマとし、北海道においてさまざまな領域で直面する社会的課題を解決するために取り組む“つなぐ”プロジェクトや起業を対象とします。多様なメンバーで「プラットホーム」を形成し分野横断的な「ネットワーク」を構築することを必須条件とし、活動の質的なステップアップ、担い手としての自立を目指すプロジェクトや起業を支援します。原則として3年間の継続助成です。 |
(2025年度~2027年度までの3年間継続助成)
プロジェクト名 | よいち未来共創プロジェクト~エネルギーの自助と共助で創る安心 |
代 表 者 | 大倉 準 (オオクラ ジュン)bokashi代表/サニーサイドファーム(農家) |
概 要 | エネルギーの自給自足による自助と住民の共助により地域のレジリエンスを向上させるとともに、情報弱者を含めた情報共有や組織連携の仕組みを構築し、災害にも強い地域モデルを提案する。 |
プロジェクト名 | 中学生・高校生・大学生の「探究できるアンケートフォーム」プロジェクト |
代 表 者 | 髙橋 陸斗 (タカハシ リクト)北海道大学大学院教育学院 博士課程院生 |
概 要 | 中学生、高校生、大学生を対象とした、手軽にアンケートを実施・結果の統計分析ができるツールを開発し、探究授業や調査研究を通したデータサイエンスの基礎を学べるアプリケーションの開発を行う。 |
プロジェクト名 | リジェネラティブな「にわとり」ネットワークの構築 |
代 表 者 | 渋谷 崇史 (シブヤ タカフミ)鶏中心設計/marushibu architects 代表 |
概 要 | 「にわとり」という身近な存在を起点に、多世代・多様なバックグラウンドのメンバーと共に、自然と生命のつながりを観察し、知見と体験を共有・交換し、未来につながる多種共生的な在り方を探り実践するプロジェクトです。 |
(受付順、敬称略。所属・役職等は申込時のものです)
4-(2)ネットワーク形成事業助成B(若手)プロジェクト:2件 100万円[贈呈額: 50万円]
「生命科学(いのち)」をテーマとし、北海道において、さまざまな領域で直面する社会的課題を解決するために取り組む“つなぐ”プロジェクトや起業を対象とします。多様なメンバーで「プラットホーム」を形成し分野横断的な「ネットワーク」を構築することを必須条件とし、若い力で意欲的にチャレンジする学生・社会人中心の次世代プロジェクトや起業を支援します。1年間の単年助成および、2年または3年間の継続助成。代表者・責任者およびプラットホームメンバーの過半数が16~30歳までを対象とします。 |
(2025年度の1年間継続助成)
プロジェクト名 | 北の高校生会議2.0 |
代 表 者 | 武田 祐貴 (タケダ ユウキ) 北海道札幌工業高等学校 |
概 要 | 高校生主体で社会課題を議論し合う合宿型イベントを再始動し、新たな連携と学びの機会を創出。道内外の高校生同士が対話を深め、地域社会の未来を提案する。 |
(受付順、敬称略。所属・役職等は申込時のものです)
(2025年度~2026年度までの2年間継続助成)
プロジェクト名 | 地域と若者が共創する持続可能なネットワーク形成プロジェクト |
代 表 者 | 下沢 杏奈 (シモザワ アンナ) 一般社団法人いとのこ |
概 要 | 地域の若者と企業・起業家が連携し、共創の場を創出することで、地域に若者が活躍できる持続可能なネットワークの形成を目指す。 |
(受付順、敬称略。所属・役職等は申込時のものです)
【2025年度 秋山財団 各種助成金】
区 分 | 件 数 | 金 額 |
1. 秋山財団賞 | 1件 | 3,000,000円 |
2. 秋山喜代賞 | 1件 | 500,000円 |
3-(1) 研究助成〈一般〉 | 19件 | 22,800,000円 |
3-(2) 研究助成〈奨励〉 | 17件 | 10,200,000円 |
4-(1) ネットワーク形成事業助成【A】(新規) | 3件 | 3,000,000円 |
4-(2) ネットワーク形成事業助成【B】(新規) | 2件 | 1,000,000円 |
※ ネットワーク形成事業助成 (継続) | 6件 | 5,280,000円 |
合 計 | 49件 | 45,780,000円 |
※ネットワーク形成事業助成(継続助成分)の概要
【2023年度に採択となったプロジェクト(2025年度終了)】
プ ロ ジ ェ ク ト 名 | 代 表 者 | 2025年度 |
近未来地域課題解決・広域型地学協働プロジェクト 《 A(一般)プロジェクト 》 | 菅野 典子 (スガノ ノリコ) チームM 代表 | 100万円 |
女性アスリートの心身をサポートする ワンストップ型web相談窓口開設プロジェクト 《 A(一般)プロジェクト 》 | 後藤 佳子 (ゴトウ ケイコ) 新札幌整形外科病院 医師 | 100万円 |
劇場を拠点とする多文化共生のための対話の場の創出 《 A(一般)プロジェクト 》 | 平田 未季 (ヒラタ ミキ) SHAKE★HOKKAIDO 代表 | 98万円 |
ミツバチがつなぐヒトとマチ~都市型養蜂から サスティナブルなまちづくりへ~ 《 A(一般)プロジェクト 》 | 酒井 秀治 (サカイ シュウジ) NPO法人サッポロ・ミツバチ・ プロジェクト 理事長 | 80万円 |
【2024年度に採択となったプロジェクト(2026年度終了)】
プ ロ ジ ェ ク ト 名 | 代 表 者 | 2024年度 |
いのちと地域をつなぐ食!地域をつくるまおいごはん! 《 A(一般)プロジェクト 》 | 健名 美恵子(ケンメイ ミエコ) 健名農場 副農場長 | 100万円 |
プロギングin北海道~足元から世界を繋ぐ~ 《 B(若手)プロジェクト 》 | 菅原 康平(スガワラ コウヘイ) 一般社団法人プロギングジャパン | 50万円 |
(敬称略)
以上
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